KANSAI UNIVERSITY

INTERVIEW | 私は、こんな人。 /15

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多くの起業家と雇用を生み出す、
社会貢献のカタチ。

 起業家やその卵を支援する“インキュベーター”。日本における、そのパイオニア的存在といえる榊原健太郎さんは、株式会社サムライインキュベートの代表取締役CEOとして、これまでに100社以上のスタートアップ(起業)を支援している。
 笑顔を絶やさずアクティブな印象の榊原さんだが、もとは内気な青年だったという。高校まで名古屋で育ち、自立心とコミュニケーション力を身につけようと、関西での大学進学を決意。世の中のことを幅広く学びたいと考え、関西大学の社会学部を選択した。
「本当は目立ちたがり屋なのにコミュニケーションが下手でした。関西大学に進んだことで、関西弁を習得できたのも大きかったです。“関西弁”のコミュニケーション力はスゴいですね。あと、自分の失敗を受け入れて笑いにする関西人のパワーは、ビジネスでも力を発揮します」
 大学3年の頃、友人に誘われて文化会のユネスコ研究部に入部。地域の子どもたちと遊んだり、他の部活動や他学部の人と交流するうちに、社会貢献のやりがいと自分らしさを実感するようになった。
「関西大学は学園祭が盛大で、色々な人と触れ合えるのも魅力です。僕はいま、 “サムライベンチャーサミット”というイベントを日本やシリコンバレーで開催していますが、あの学園祭が原点だったように思えます。人をたくさん動かすと世の中が動くと今でも実感しています」
 大学卒業後は、社会貢献できる仕事をしたいと考えて医療業界に就職。営業職として3年間務めたが、もっと世の中を引っ張っていく仕事をしたいと考えてIT業界へ飛び込んだ。
 そして、榊原さんがインキュベートの仕事を始めたきっかけは、ある投資家の言葉だった。「たくさんの起業家に投資すれば、多くのサービスと雇用を生み出せる。そうして世の中をハッピーにするのが、投資家の仕事だ」と教えられたそうだ。
「彼と話をして、企業家を生み出すことこそ、最大公約数的に社会貢献できることだと考えました」

世の中を変え、
課題を解決できることに投資をしたい。

 2008年、榊原さんはサムライインキュベートを設立。“サムライファンド”を立ち上げて年間約10社ものスタートアップに投資したことを公表し、世間から注目を集めた。さらに、起業家と共同生活を送りながら支援する“サムライハウス”も創設。
「著名な漫画家がかつて一緒に暮らしていた“トキワ荘”が東京にありますが、その近くに一軒家を借りて “起業のトキワ荘”というふれ込みでスタートしました。その広報戦略が成功し、多くの取材を受けました。僕のように、会社を作る段階で投資をし、起業家と一緒に住んだり、ワーキングスペースを持ったりする人は、珍しかったのです」
 現在、年間60社の投資を目標に、多くの起業家を支援。さらに、第2のシリコンバレーと言われるイスラエルに進出している。
「意外かもしれませんが、イスラエルは、いわば“中東の関西”。僕が外国で初めてフィーリングが合った国で、フレンドリーな人が多いんです。向こうでも “サムライハウス”を作り、起業家たちと生活しながら支援を行っています」
 榊原さんが投資をする基準は、世の中を変えられるかどうかだという。
「ドラえもんの道具のように、未来の発明品のようなモノを生み出すサポートをしたいです。例えば、人工知能(AI)やサイバーセキュリティが近いかもしれません。また、最近増えているネット上でのいじめを防ぐしくみなど、世の中の課題を解決できるものに投資をしたいと考えています」
 榊原さんの仕事の原動力となるのは、大学時代に芽生えた社会貢献への想いだ。
「目標は、次のTwitterやFacebookのようなものを日本の起業家から生み出すこと。さらには、世界中を平和にするインキュベーションを実現したいですね。そして夢は大きく、ノーベル平和賞を超えるサムライ賞をつくりたいと思っています」

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